シエナの小さな食堂
2010年 03月 06日
トスカーナ州、フィレンツェの近くにあるシエナという小さな街は、僕が初めて住んだイタリアの街です。
街中を散歩するのが好きでした。
小さな街には、たくさんの楽しみがありました。
美味しい食堂もたくさんありました。
その中でも古いシエナの特徴とも言える食堂(Osteria:オステリアと書いてあります)が表通りからほんの少し入った路地にひっそりあります。
とにかく安く、シエナの特徴ある食事が出来ます。
店内に入るとカウンターがあり、そこで今日のお勧めを聞き自分の食べたい量を注文をします。
その日、その時によってメニューはさまざまです。
メニューのほとんどは、tavola fredda(ターヴォラ・フレッダ)と呼ばれる冷たい料理(前菜など)ですが、本当に地元のものを使っているので真の「シエナの味」を味わうことが出来ます。
例えば・・・
シエナ周辺のサラミやチーズ:salumi e formaggi
スペルと小麦のスープ:zuppa di farro
ニンニクのピーチ(シエナの太いパスタ):pici all'aglione
マレンマ(シエナの南の地域)風のミートソース:maremmani al ragù
注文したお皿を受け取り、ワインや水を注文し、レジで会計をしたら店の外に並べてある長テーブルに持って行きます。
もし、先客がいたらちょっと一言をかけて隣にお邪魔をします。
あとは、おしゃべりをしながら、街の雰囲気を楽しみながら食事をします。
相席をしたパドヴァの人とトスカーナの人といろいろな話をしました。
地域のリゾット(パドヴァの方ではかぼちゃと小エビのリゾットがあるらしい)や美味しい食べ物など・・・
そのうち、この食堂の生ハムの話になった。
「生ハムと何を組み合わせるかが大事だ。今日はイチジクがあるらしいから絶対食べた方が良い」と・・・
頼みに行ったら、こんな風に盛り付けをしてくれました。
トスカーナの生ハムは、野性味あふれる肉らしい生ハムです。
一度、フィレンツェでトスカーナの生ハムとメロンの組み合わせを食べたことがあったのですが、どうしても生ハムの味が強すぎてメロンが負けてしまい「組み合わせ」を楽しめるものではありませんでした。
しかし、甘みの強い地物の白イチジクとしっかりしたトスカーナの生ハムの組み合わせは、これ以上ないという「組み合わせ」でした。
そういえば、フィレンツェでトスカーナのサラミと白イチジクの「組み合わせ」が美味しかったのも思い出しました。
Osteria Il Grattacielo
via dei Pontani, 8 - Siena -
Tel - 0577 289326
Cell - +39 334.6311458
Aperto tutti i giorni
orario continuato dalle 8 alle 15
オステリア・イル・グラッタチエーロ
ポンターニ通り8 シエナ
電話:0577 289326
携帯:+39 334.6311458
営業日:ほぼ毎日
営業時間:8~15時
Grattacielo(グラッタチエーロ)は、「超高層ビル」や「摩天楼」という意味です。
写真:2007年8月28日シエナ
foto @ 28.08.2007 - siena
ここから下の写真は、flickr migliosaに掲載されていた「オステリア・イル・グラッタチエーロ」の写真を借用させていただきました。
この食堂の雰囲気が伝わる、とてもすばらしい写真です。
こんな風景をよく見かけます。
こんな感じで斜めでも気にしません。
それがシエナの味なのですから!