謝肉祭のお菓子
2010年 02月 16日
イタリアでは、謝肉祭の期間だけにしか作られないお菓子があります。
もっとも多くの地域で見ることが出来るお菓子が「Chiacchiere(キアッキエーレ)」です。
ほとんどの地域で作り方は同じですが、仕上げの形や厚みが微妙に違います。
同じ地域でも家や店によって仕上げを「揚げる」「オーブンで焼く」「揚げたものを焼く」とさまざまです。
ミラノでこのお菓子のことを知ったので「キアッキエーレ」と呼んでいますが、別の街に行くと全く違う名前で呼ばれています。
復活祭の期間中にしかないお菓子なので名前を覚えることが出来ない地域もありました。
地域別の呼び方を調べてみると・・・
- bugie:ブージエ(うそ)
Genova, Torino, Imperia, Ligure böxie
ジェーノヴァ、トーリノ、インペーリア、リグーリア海岸の地域
- cenci 、 crogetti:チェンチ(ぼろきれ) 、クロジェッティ
Toscana
トスカーナ州
- cioffe:チォッフェ
Centro Abruzzo, Sulmona
アブルッツォ州中央、スルモーナ
- chiacchiere:チアッキエーレ(おしゃべり)
Sicilia, Campania, Lazio, Sardegna, Umbria, Puglia, Calabria, Milano
シチーリア州、カンパーニア州、ラーツィオ州、サルデーニャ州、ウンブリア州、プーリィア州、カラーブリア州、ミラノ
- cròstoli:クローストリ
Ferrara, Veneto, Trentino, Friuli-Venezia Giulia
フェッラーラ、ヴェーネト州、トレンティーノ、フリウーリ=ヴェネーツィア・ジゥーリア州
- fiocchetti:フィオッケッティ(房飾り)
Montefeltro, Rimini
モンテフェルトロ、リーミニ
- frappe:フラッペ(ひだ飾り)
Roma
ローマ
- galàni:ガラーニ(バラ結び)
Venezia, Verona, Padova
ヴェネーツィア、ヴェローナ、パードヴァ
- intrigoni:イントリゴーニ(裏取引をする人?)
Reggio Emilia
レッジォ=エミーリア
- lattughe:ラットゥーゲ(レタス、ひだえり)
Mantova
マントヴァ
- rosoni , sfrappole:ロゾーニ(バラ窓)、スフラッポーレ
Parma, Modena, Bologna, Romagna
パルマ、モーデナ、ボローニャ、ロマーニャ
- sfrappe:スフラッペ
Marche
マルケ州
- sprelle:スプレッレ
Piacenza
ピアチェンツァ
その他・・・
cicerchiata:チチェルキアータ(スイトピー)
stracci:ストラッチ (尻帯、ズボン吊、ぼろきれ)
lasagne:ラザーニェ
pampuglie:パンプーリィエ
manzole:マンヅォーレ
これらすべてが同じお菓子の名前です。
地域によってこれだけ違います。
このようなパスタを使ったお菓子を時々見かけますが、このお菓子について調べてもわかりませんでした。
イタリアでは、小麦粉を練ったお菓子もパスタといいます。
パスタとは、もともと「練る」という単語からきています。
なので、生地を練るお菓子は「パスタ」と呼ばれています。
Youtubeで謝肉祭のためのお菓子の作り方が掲載されていました。
僕の知っている作り方に近いと思います。
Chiacchiere di Carnevale:キアッキエーレの作り方
>材料<
・小麦粉 500g
・グラッパ 1/2カップ(ヴィン・サント、白ワインなどでも良いと思います)
・イースト菌 6g
・ヴァニラ 1袋
・卵 3つ
・砂糖 70g
・バター 50g
・オイル 揚げ物用
(摩り下ろしたオレンジやレモンなどの柑橘系の皮を入れても美味しいです)
日本でも知られてきた雑誌のDeAgostini(デアゴスティーニ)の「謝肉祭シリーズ」の映像がありました。
普通レシピを教える用の映像はちゃんと料理を作ると思うのですが、この映像は・・・
ものすごく普通の人が家で作っている感じで面白い!
生地を切る時に「何でそのナイフを使うの?」とか、「何でその鍋で揚げる?」とか、、、
もしかしたら「普通の家ではこんな感じなのかな」と思ってしまいます。
材料も最低限で作っているように感じます。
Chiacchiere di Carnevale:キアッキエーレの作り方
>材料<
・小麦粉 300g
・卵 3つ
・砂糖 70g
・バター 50g
・塩 少々
・オイル 揚げ物用
・粉砂糖
Struffoli di Carnevale:スロルッフォーリの作り方(ナポリの菓子)
>材料<
・小麦粉 250g
・卵 3つ
・砂糖 50g
・バター 35g
・塩 1つまみ
・オイル 揚げ物用
・蜂蜜 125g
・砂糖 50g
・水 4さじ
・色の付いた砂糖 たくさん
Frittelle di Carnevale:フリッテッレの作り方
ヴェネツィアを含むヴェネート州で多く見られる謝肉祭のお菓子です。
ヴェネツィアの方言ではfrìtole(フリートレ)と呼びますが、全国的にはfrittelle(フリッテッれ)と呼ばれています。
>材料<
・小麦粉 300g
・牛乳 190cc
・卵 1つ
・砂糖 60g
・ビール酵母 15g
・バター 60g
・オイル 揚げ物用
・粉砂糖
左から、castagnole(カスタニョーレ)、cròstoli(クローストリ)、frìtole(フリートレ)
ヴェネツィアにて
もし、謝肉祭の時期にイタリアへ訪れたら絶対お菓子屋さん(Pasticceria:パスティッチェリーア)をのぞいて見てください。
この他にも、たくさん謝肉祭のお菓子を見つけることが出来ると思います。
これからの謝肉祭は、2011年3月8日、2012年2月21日、2013年2月12日、2014年3月4日、2015年2月17日、2016年2月9日、2017年2月28日、2018年2月13日です。